老人ホーム・介護施設の費用の目安【2026年】種類別の仕組みと公的な基準

老人ホームの費用は「施設の種類」でほぼ決まります。特養・老健・介護医療院は介護保険の公的な基準額があるため全国で大きな差がなく、介護付き有料老人ホーム・サ高住・グループホームは施設ごとに家賃・管理費を設定するため地域と施設で大きく異なります。ここでは公的な仕組みと概算の目安を種類別に整理します。実際の金額は必ず各施設で確認してください。

公的施設の居住費・食費の基準費用額(1日あたり・2024年8月改定)

区分特養老健・介護医療院
ユニット型個室2,066円2,066円
ユニット型個室的多床室1,728円1,728円
従来型個室1,231円1,728円
多床室915円437円
食費1,445円1,445円

厚生労働省が定める基準費用額。所得段階(第1〜3段階)に該当する方は負担限度額認定により、この額より低い上限で利用できます。これに介護保険の施設サービス費の自己負担(要介護度・施設の体制・地域区分で異なる)と日常生活費が加わります。多床室で月額およそ9〜10万円台、ユニット型個室で月額およそ13〜15万円台が1割負担の場合の概算です。

特別養護老人ホーム(特養)

対象:原則として要介護3以上の方(特例で要介護1・2も可)。公的施設のため費用が抑えられ、終身で利用できます。

費用:介護保険の施設サービス費(1〜3割負担)+居住費+食費+日常生活費。居住費・食費には国の「基準費用額」があり、所得が低い方は負担限度額認定で軽減されます。多床室で月額およそ9〜10万円台、ユニット型個室で月額およそ13〜15万円台が1割負担の場合の概算です(要介護度・地域・所得で変わります)。

入所待ち(待機)が発生しやすく、地域によっては申込みから入所まで時間がかかります。

介護老人保健施設(老健)

対象:要介護1以上で、病状が安定し在宅復帰を目指す方。医師・看護師・リハビリ職が配置され、原則3〜6か月程度の中間施設です。

費用:介護保険の施設サービス費(1〜3割負担)+居住費+食費。居住費・食費には基準費用額と負担限度額があり、特養と同じ仕組みで軽減されます。多床室で月額およそ9〜10万円台が1割負担の概算です。

長期の「終の棲家」ではなく、在宅復帰を前提とした施設です。

介護医療院

対象:要介護1以上で、長期の医療的ケア(たんの吸引・経管栄養など)と介護の両方が必要な方。介護療養型医療施設の転換先として2018年に創設されました。

費用:介護保険の施設サービス費(1〜3割負担)+居住費+食費。基準費用額・負担限度額の仕組みは特養・老健と同じです。医療の必要度に応じた区分で費用が変わります。

施設数は少なく、病院に併設されていることが多い施設です。

介護付き有料老人ホーム

対象:自立〜要介護の方(施設により異なる)。ここでは介護保険の「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた「介護付き」の有料老人ホームを集計しています(住宅型有料老人ホームは含みません)。

費用:公的な基準額はなく、入居一時金(0円〜)と月額利用料(家賃・管理費・食費)を施設ごとに設定。これに介護保険の自己負担(要介護度に応じた定額)が加わります。立地と居室・サービス内容で費用の幅が大きいため、複数施設の資料を比べることが重要です。

民間運営が中心で、同じ市区町村でも費用の幅が大きい種別です。

サービス付き高齢者向け住宅(介護付き)

対象:60歳以上または要介護認定を受けた方。バリアフリーの賃貸住宅に安否確認・生活相談が付きます。ここでは介護保険の「特定施設」指定を受けた介護付きのサ高住のみを集計しています(一般型のサ高住は含みません)。

費用:家賃・共益費・サービス費を施設ごとに設定。介護サービスは特定施設の場合は定額、一般型は外部の在宅サービスを利用した分だけ自己負担します。

一般型のサ高住は介護サービス情報公表システムの対象外のため、実際のサ高住の総数はここに示す数より多くなります。

軽費老人ホーム・ケアハウス

対象:60歳以上で、家庭環境や経済状況により自宅での生活が難しい方。ケアハウス(軽費老人ホームC型)が中心で、介護が必要になった場合は特定施設の指定を受けた施設で介護サービスを受けられます。

費用:所得に応じた事務費(公的補助あり)+生活費+居住費。有料老人ホームより費用が抑えられる公的色の強い施設です。

ここでは特定施設の指定を受けたもの(介護型)を集計しています。

グループホーム(認知症対応型)

対象:要支援2以上で認知症の診断を受けた方。5〜9人の少人数で共同生活をする地域密着型サービスで、原則として施設のある市区町村の住民が対象です。

費用:家賃・食費・光熱費・管理費(施設ごとに設定)+介護保険の自己負担(要介護度に応じた定額)。月額はおおむね10万円台半ば〜20万円程度が目安とされますが、地域差があります。

地域密着型のため、原則その市区町村に住民票がある方しか入居できません。

よくある質問

特養の費用はなぜ安いのですか?

介護保険の施設サービス費の自己負担(1〜3割)に加え、居住費・食費に国の基準費用額が定められ、所得の低い方には負担限度額(補足給付)があるためです。多床室なら月10万円前後が1割負担の概算です。

有料老人ホームの入居一時金とは?

入居時にまとめて支払う前払い家賃です。0円のプランから数千万円まで施設により幅があり、一定期間内の退去では未償却分が返還されます。月額利用料とのバランスで総額が変わるため、複数施設の資料で比較してください。

費用を抑えるには?

負担限度額認定(特養・老健・介護医療院・ショートステイの居住費・食費の軽減)、高額介護サービス費(月の自己負担上限)、医療費控除(施設サービス費の一部)、世帯分離などの制度があります。市区町村の介護保険窓口や地域包括支援センターで相談できます。

地域の施設数を調べる

費用の目安がつかめたら、お住まいの地域にどの種類の施設がどのくらいあるかを確認しましょう。都道府県別・市区町村別の施設数と、65歳以上の介護保険料・要介護認定率を公的データで掲載しています。